押えておくべき3種類+2=5つの壁
私ごとですが、長男が高校生になりました。アルバイトをしてこづかい稼ぎをしたいそうです。それは助かる! といったところですが、年収の壁には注意してもらわないといけません。うっかり壁を越えると大損してしまうからです。
2025年から様々に改正された年収の壁……これでたくさん稼げると思ったら要注意です。壁となる金額が変わり、より複雑になりました。今回はややこしくなってしまった年収の壁を整理して、主婦、高校生、大学生がいくらまで稼ぐのが得策かを考えてみたいと思います。
パートやアルバイトは、主婦や学生にとっては他の時間も確保しながら使えるお金を増やしたいというニーズにぴったりな働き方。家計の支えになったり、自由に使えるお金を増やしたりする大切な手段です。働き損にならないために、効率的に手取りが増える働き方を探しましょう。
まず、壁には3種類あるということを抑えておきましょう。
・パートやアルバイトをしている本人への課税の壁
・扶養されている配偶者や親への税法上の扶養の壁
・社会保険上の壁
全ての壁を越えてはいけない、と言うわけではなく、越えてもあまり気にしなくてもいい壁もあります。この3つに加えて、該当する場合には気を付けてほしい2つの壁もあります。
・会社の家族手当の壁
・奨学金や学費助成等の壁
では、主婦、高校生、大学生それぞれの立場でどこが本当の壁になるのかを確認していきましょう。
主婦パートに立ちはだかる社会保険の厚い壁
結論から申し上げると、パート主婦の越えてはいけない壁は、“社会保険加入の壁”である106万円または130万円です。
本人に所得税がかかる壁は103万円から160万円に大幅に上がり、住民税がかかる壁も100万円から110万円に上がりました。所得税、住民税の扶養の壁は103万円から123万円に引き上げられ、所得税では123万円を越えても160万円までは配偶者特別控除を満額受け取ることができます。
これで稼げる! と思いきや、123万円よりも160万円よりも先にやってくるのは社会保険の壁。106万円または130万円のままでした。
従業員51人以上の事業所に勤務している等所定の要件を満たした場合、年収106万円を超えると勤務先での社会保険加入が義務化されます。従業員50人以下の企業に勤務している場合であっても、年収130万円を超える見込みになると夫の扶養から外れてしまい、自身で国民健康保険・国民年金への加入が必要になります。
ご自身で国民健康保険と国民年金に加入するとなると、今までかからなかった社会保険料が一気に年間30万円以上負担が増えることになります。最近では時給が上がり、うっかりすると106万円を超えてしまうことがあります。お勤め先によっては106万円で扶養を外れてしまうことになりますので、しっかり確認しておきましょう。