スキンケア用品や化粧品、タオル、ドライヤー……限られたスペースがゆえに物があふれがちな洗面所。お片付け習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「お金の貯まらない家の洗面所は、とにかく物が多いので、掃除がしにくい。自分の暮らしには何が必要で、実は何が不要なのかを見極めることが大切だ」という――。
洗面所で顔にクリームを塗っている女性
写真=iStock.com/MTStock Studio
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お金の貯まらない家の洗面所にあるもの

洗面所を一目見れば、その家が「お金の貯まる家」か「貯まらない家」かわかります。

理由は単純で、お金の貯まらない家の洗面所というのは、とにかく物が多いからです。ちょこっと残った化粧水や美容液など、実際にはほぼ使っていないスキンケア用品のボトルや、ファンデーションやチークなどの化粧品、ヘアスプレーやヘアクリームといった整髪料、そして絶対に同時にすべてを使うことはないであろう洗剤が何本も並んでいます。

特に洗剤は、洗濯洗剤もあれば、襟用、おしゃれ着用、柔軟剤、お風呂のバスタブ用、洗面台用、パイプ用……など、「そんなにこだわって洗い分けるの?」と聞きたくなるくらい何種類もあることが少なくありません。

また引き出しにも、石けんやシャンプーなどのストックがいっぱい。家族によって使う物が違うと、それだけですごい数になります。なぜか、洗濯ネットが何十個も出てきた家もありました。

さらに壁にも、いろいろなものが吊るしてあります。洗濯ネットにスポンジやブラシなどの掃除グッズ、子ども用の防水のおもちゃなど、やたらめったら物がぶら下がっている。

キレイになる「かも」という幻想

それから「床置き」もよく見る光景です。過去、いちばん衝撃的だったお宅は、床に足の踏み場もないほどボトルやハンガーなど、あらゆるものが積み重なり、散らかっていて、バスマットも敷けない。だから、お風呂上りは自分が脱いだ服をバスマットにしているという……。

なぜ、これほど物が増えてしまうのでしょうか。それは、このスキンケアや化粧品があればきれいになる「かも」、この洗剤があると家の中がピカピカになる「かも」という自分への期待感から。直視したくない現実(散らかった家)から、理想をえがくことで一時的に逃げられて心が楽になるため、つい買ってしまうのです。

またスーパーやドラッグストアで「特売日だったから」と、買いだめしてしまうケースも少なくありません。まだあるものを「安いから」という理由だけでストック買いして、結果的に使用期限が切れるまで放置しやすいのは、キッチンの食品と同じです。

ここではっきり伝えておきたいのが「かも」や「安かったから」で購入したものは、実は、大体なくても困りません。これこそがむだ遣いで、塵も積もれば総額は大きくなるので、なかなかお金が貯まらない原因になっているわけです。