趣味や学びを通じて仲間を作る

趣味があるなら、サークルに所属してみる。今は、ネットで同好会にすぐに参加できます。たとえば、植物好きのネットサークルなら、自分が見つけたきれいな花を写真に撮ってアップすると、他の人が写真をほめてくれて、その花についての情報を教えてくれます。興味ある分野での付き合いを広げ、その道に詳しい人と仲良くなれます。

地方在住であれば、各地域ごとにその地域や郷土の歴史や地理、文化などを学ぶ勉強会があります。そういうところに所属して勉強する。

すると同好の士がいます。そういう人たちと知り合うのも面白いかもしれません。

地域ガイド養成講座も、いまや各地域、自治体で行われています。そういう講座に参加してみる。地域のことを学べるだけでなく、横のつながりを持つことができます。

ユネスコのジオパークが近くにある人は、そういう所のガイド養成講座も面白いと思います。

せっかく時間があるのですから、自分の好きなテーマで勉強すると、これまで刺激されなかった脳が刺激されます。

そして何といっても、趣味や妙味を通じての友だち、仲間を増やすことは、人生を彩り楽しくすることになります。利害関係を越え、知的な刺激を与えてくれる人間関係を作る時間がある。

60代はそういう意味で、恵まれた時期です。

心安らげる場所を作る

家庭とは別にもう一つ、心安らげる場所を作ることも大事になってくると思います。

お酒が飲める人なら、近くのスナックとかバーなど行きつけの店を作るのも面白いですね。スナックのママや喫茶店のマスターと懇意になり、常連さんと友達になる。家族にはなかなか話せないことでも、話を聞いてくれたりします。

人生経験が豊富で、たくさんの人を見ているママやマスターは、下手なカウンセラーより上手に悩みを聞いて理解してくれるかもしれません。そういう人が身近にいるのは精神衛生上、とても良いと思います。

地方の街でバーに行くと、週に何日か必ず来ている常連さんもいます。ある意味での「帰る場所」であり、居心地の良い場所なんですね。

「アジール」というのですが、職場でも家庭でもない、もう一つの居場所、安心できる場所を作ってみてはいかがでしょうか?