同級生や同窓生から得られる喜び
安心できる関係をもう一つ挙げるとしたら、同級生、同窓生の集まりがあります。
小学校から高校まで、できれば地域や地方が一緒の関係が良いです。大学の同窓となると、故郷が異なるので、ちょっとここで言う関係性とは違ってくるかなという感じがします。私は大学の友人とは、オンライン飲み会などをしたりしていました。
30代や40代の頃は、張り合ったりマウントを取り合ったりする面倒な関係性があったかもしれませんが、人生が一周して仕事も最前線から離れ、子も自立したとなると、再びまっさらな子どもの時代に戻りやすくなります。
そんな中で、お互い残りの人生を楽しもうじゃないかとなると、30代や40代の頃とはまた違った関係性になれます。
私もこの年になって昔の同窓会に出たり、特に仲の良かった人たちだけで飲み会をしています。
「え? 本当は○○さんを好きだったってこと?」
「~~さんに告白されたのって、君だったの!」
「付き合ってたの⁈ 知らなかったよ!」
なんて、数十年を経て明かされる事実があります。他愛もないけれど、時間を経たからこそ楽しめる会話です。
何十年ぶりかで時間と場を共有し、エネルギーをもらえる。昔を懐かしむことに全員が没入している。これも立派なブッダ的喜びかもしれません。
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。著書に『孤独を生きる』(PHP新書)、『50歳からの孤独入門』(朝日新書)、『孤独のチカラ』(新潮文庫)、『友だちってひつようなの?』(PHP研究所)、『友だちって何だろう?』(誠文堂新光社)、『リア王症候群にならない 脱!不機嫌オヤジ』(徳間書店)等がある。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導を務める。