セパレート型ユニフォーム、女子選手はお腹を気にする

国内でもトップ選手がセパレート型ユニフォームを着るようになると、高校生にも波及していく。2003年のインターハイでセパレート型ユニフォームを着た女子選手が大活躍。数年足らずで全国大会に出場する高校生チームはセパレート型ユニフォームが中心になったのだ。

筆者は2003年のインターハイでセパレート型を着た選手に着心地を取材した。「動きやすいし、お腹に力が入る感じがするんです」という答えが返ってきた。

女子選手がセパレート型のユニフォームを着用する最大の理由は、ジョイナーのような華やかさよりむしろ「動きやすさ」にあったのだ。

トラックレース中の女子選手たち
写真=iStock.com/FreezingRain
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そして、もうひとつの大きな理由は「ファッション性」だ。世界のトップ女子選手はセパレート型がスタンダード。国内のトップ選手、名門大学、強豪高校もセパレート型が多い。そうやってユニフォームのデザイン変化に適応してきたのだ。

ただ、お腹を出すスタイルを気にする女子選手は現在も少なくない。「シーズンまでにユニフォームをカッコよく着こなせるように身体を仕上げたい」と考えている選手も多い。また下着の透けやハミ出しを防ぐためにユニフォームと同系色のスポーツタイプのアンダーウエアを着用するなど身だしなみにはかなり気をつけている。

彼女たちは基本、自分の意思でセパレート型のユニフォームを着用している。勘違いしている人もいるようだが、誰かの指示・命令ではない。日本陸連規則はユニフォームのかたちを自由にしているのだ。

リレー種目においても、「デザイン、配色が同一であれば衣服の形状は選手ごとに異なっても良い」としており、各選手がユニフォームのタイプを選択できる。ランシャツ&ランパンでもいいし、セパレートタイプ、ワンピースタイプでもOK。肌の露出が気になる場合はロングタイツでも構わないのだ。

世界選手権などの日本代表ユニフォームも同じで、契約メーカーはさまざまなタイプのウエアを準備。選手たちは自分の好きな組み合わせで出場している。必ず露出の多いセパレート型ユニフォームを着用しなければならないわけではないのだ。