※本稿は、『プレジデントBaby 0歳からの知育大百科2023』の一部を再編集したものです。
上手な家事と育児アウトソーシング術とは
子育て家庭が積極的に家事や育児を外注し始めたのは、ここ5、6年のこと。子育てと仕事の両立や夫婦関係に悩むママパパに向けて私が行っている研修や講演も、以前は家族でどうにかしようとか、パパをどう巻き込むかといった内容がメインでした。
最近は、共働きがデフォルトになり、女性もキャリアアップを目指す人が多くなり、家事や育児を外注する家庭が増えてきていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大で働き方が大きく変わったことがハードルをかなり下げたように思います。在宅が続いて、1日3食を作るのが辛くなり、お昼くらいは宅食にしちゃおうか、と。
とはいえ、本来、自分がすべきことを、お金を払って人に頼むことに対して、罪悪感を持っている人はまだまだ多く、また他人を家に入れることに抵抗のある人も少なくありません。でも片働きが主流だった親世代と今とでは社会的背景が全く違います。自分たちだけでなんとかしようとして疲弊するよりは、上手に活用して負担を減らすことをお勧めします。
私がいつもお伝えしているのは、家族の周りにある「ひと」「もの」「こと」と連携した「チームわが家」をつくろうということ。「ひと」は祖父母、ママ友やパパ友、職場の上司や同僚、保育所や学校の先生などを、「もの」は時短家電やアプリ、中食などを、そして「こと」はベビーシッターや家事代行、宅食などの行政&民間サービスを指します。
産後すぐは保健師やヘルパーが訪問してくれる行政サービスを利用する人も多いですが、本格的に家事代行を使うのは復職後。買い物の時間を削減するために、宅配やネットスーパーを使うことが多いですね。家族の人数×5日分の夕食の材料をレシピ付きで宅配してくれるサービスもあり、献立を考える手間も省けると好評のようです。
買い物代行は、他人が家に入ることはないので、家事代行の最初の一歩としてお薦めです。
掃除代行を、週に1回程度頼む家庭も多いです。たとえば週末に子どもとゆっくり過ごしている間に来てもらって、気になる箇所の掃除をしてもらう。留守中に入られるのが嫌な人には、お薦めの方法です。特に水回りは、家の中でも独立しているので、リビングを見られたくないという人にもいいですね。