他人に対するイライラが止まらないケース
奈美さんは30代の主婦です。人に対するイライラが止まらない、というご相談で来られました。
自分が思う合理的な段取り通りに動かない人、奈美さんの話をちゃんと聞いていない人、話が的確ではない人にイライラするのです。鈍くさい(と奈美さんが感じる)友だちに「あなたね〜!」から始まって、人としての心構えをついお説教してしまうのです。自分でもさすがにイライラしすぎだと思ったことが相談のきっかけです。
カウンセラーと話をする中で分析してみると、不安がとても強い、ということが見えてきました。常に安心・安全ではない世界の中で自分はなんとか危険をやり過ごそうとよく考えて行動しています。しかし、そのことがわからず空気が読めないのん気な他者にものすごく腹が立ってしまうようなのです。
夫婦喧嘩、父親のイライラなど家庭内でのストレス
実は奈美さんの父親は気分屋で急に怒り出すような人だったらしく、幼いときに無邪気に遊んでいたら、思いっきり頭を殴られたことがあったそうです。そのとき、「ああ、こんな不用意なことをしていた自分は愚かだったのだ」と思い、それ以来、いろいろなものに気をつけるようになったそうです。
また父親はご商売をされていて段取りにもとてもうるさく、家の中でも母親の段取りのつたなさをなじっては、よく喧嘩になっていたそうです。家族でたまにドライブに出かけても、渋滞につかまっては「お前らの段取りが良くなかったからだ!」とイライラし、夫婦喧嘩になります。正月も皆が食事に揃うのが遅いなどと、いつも機嫌が悪かったそうです。奈美さんは年末年始やお盆などは今でも良いイメージがありません。