「イベルメクチンの個人輸入」が後を絶たない

ですが、学術的に否定されても、「イベルメクチン待望論」はなくなっていません。

「イベルメクチン待望論」はなくなっていない(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/RapidEye
「イベルメクチン待望論」はなくなっていない(※写真はイメージです)

イベルメクチンの効果が学術的に否定されたことは、一部の人にとってむしろ「イベルメクチンの真実が隠されている」と考える理由となっているようです。

飛躍を承知で言うと、こうした感性は、「個人輸入でクスリを手に入れたい」感性と似ているように思います。

SNSで検索すると、イベルメクチンを個人輸入したという書き込みがたくさん見つかります。

筆者があるインタビューを受けたとき、インタビュアーが「僕の知り合いがイベルメクチンを個人輸入で入手しています」と言っていて驚きました。

イベルメクチンの個人輸入は「強欲と過信の結果」

イベルメクチンを個人輸入する人は、なぜか他人に自慢したがるようです。

イベルメクチンの通販サイトに書かれた「口コミ」を読むと、なぜ自慢したがるのか、なんとなく想像がつきます。

「内緒で即座に服用……先生は不思議がってました」
「日本国民もいい加減に思考能力を働かせ目覚めなければ滅亡の道を辿る」
「ワク●ン3回接種した方はほぼ陽性で休み、繰り返しコロナ感染し陽性という状況下でしたが(イベルメクチンを飲んでいる)自分はかかりませんでした……。」

まるで、他人はバカなので気付かないが、自分だけは裏情報を駆使して健康でいられる、と言っているかのようです。