私ががん検診を受けない理由
私はがん検診を一度も受けたことがありませんが、その理由はいくつかあります。
まず、面倒臭いこと。命がかかっているのに、面倒臭いなんて、バカじゃないのかと思う人もいるかもしれませんが、検診を受けて、異常なしなら受ける必要はなかったということですし、異常ありで要精密検査などという結果が返ってきたら、面倒な上に心理的にも悪影響があります。
でも、それで命が助かるかもしれないじゃないかと言う人もいるでしょうが、ほんとうにそうでしょうか。
日本対がん協会の資料によれば、大腸がん検診では、1万人のうち異常を指摘されたのが607人で、がんは17人。乳がん検診では、異常を指摘されたのが447人で、がんは24人だったそうです(2017年)。
判定する医者は見落としを恐れますから、どうしても「要精密検査」の判定が増えてしまいます。そうなると、改めて病院に行かねばならず、行ってもすぐに検査はしてもらえず、まず予約を取って、検査を受けても結果は後日と言われ、毎回、長時間待たされ、検査でシロとわかるまで、あれこれ悩み、日常生活が乱されることになります。
それでも、無症状のがんが早期発見されて、命が助かるのならいいと言う人もいるでしょう。ですが、検診で助かった人は、検診を受けなかったらみんな亡くなったのでしょうか。症状が出てから治療を受けても、助かる人もいるはずです。
だったら、ほんとうに検診を受けたおかげで命拾いしたと言える人は、ごくわずかになるのではないでしょうか。そんな検査のために、時間とお金と体力を浪費する気にはなりません。検査被曝でがんになる危険性を考えればなおさらです。
医者の本音
それでは、医者はどれくらいがん検診を受けているのでしょう。具体的な資料がないので、以前、同級生の医者にアンケートをしてみました。「この10年間に何回、がん検診を受けましたか」という質問に、36人が回答してくれ、ゼロ回が20人と、多数派を占めていました(毎年受けているのは7人)。
医者は専門知識があるので割り引かなければなりませんが、患者さんに勧めながら、自分は受けない者が多いようです。