夜7時半頃、秩父警察署から電話が入った。すぐに来てほしいという。佐々木常夫は不安と恐怖で胸が張り裂けそうになりながら、2時間かけて向かった。長女が長瀞の川近くの山から飛び降り自殺を図ったのだ。幸い、下が砂地で命拾いをした。もし、岩場だったら取り返しのつかないことになっていただろう。

「自分と家族を支えてくれ、戦友とさえ思っていた娘がなぜこんなことを」