どんなことを履歴書に書けば、転職を成功させられるのか。人材コンサルタントの井上和幸さんは「海外MBAなどの資格が有利だと思う人もいるが、転職活動を有利にする資格は存在しない。企業が高く評価するのは、資格よりも、実務での経験と実績だ」という――。
スキルアップの概念
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転職で有利に働く資格はない

転職対策で資格取得を目指す人が増えています。

大手資格学校TACによると主要25資格(公務員・教員除く)の2021年度の受験申込者総数は253万人で前年度比1.43倍に増加しています。特に申込者数の伸びが大きいのがビジネス系の中難易度資格で、中小企業診断士や宅地建物取引士が人気です。メディアなどでも「転職に効く資格」「儲かる資格」といった特集が頻繁に組まれています。

しかし、人事や採用の現場からすれば、「転職がかならず成功する資格」というものは存在しないと断言できます。

受験者が求められること・評価されることは、現職(まで)での実務経験であり、それを通じて獲得しているスキルや専門性です。

キャリアアップで言えば、社内の昇格条件に特定の資格の取得が必須となっている会社があります。しかし、それ以外の資格取得が社内のキャリアアップにつながることはほとんどありません。

MBAホルダーが優遇されることはない

仕事に関する資格で、最も難易度の高いビジネス系資格は「MBA(経営学修士)」でしょう。

特に海外MBAは学力的にも経済的(学費+留学中の渡航費・生活費)にも取得には高いハードルがあります。それだけに、MBA取得後のキャリアや転職における直接的な役立ち度合いは誰しもが注目するところでしょう。

MBAホルダーには続々とヘッドハンターから声が掛かり、並み居る有名企業から戦略部門の責任者や経営幹部候補として登用される……。このようなイメージをもつ方がいるかもしれません。

ところが実際に、日々、経営幹部・エグゼクティブの採用と転職に関わっている私からしますと、MBAホルダーだからヘッドハントされるということは、こと一般事業会社のマネジメント職・経営職においては一切ありません。

(コンサルティングファームや一部の金融機関のプロフェッショナルでは、MBAホルダーであることがクライアントに対するブランディングになり、優遇されるケースはあります)