「取り掛かり」が重要
この方式の有効性は、書きたくないメールに限りません。文章は、書き始めるのが難しいのです。書く作業に取り掛かれれば、あとは簡単です。
「取り掛かり」こそ重要なのです。とにかく文章の形で書き、それを直していく。その繰り返しで文章を書くことができます。
多くの人が、頭の中の考えがきちんと整理されるまで、文章を書こうとしません。しかし、それでは、なかなか書き始めることができません。
とにかく文章の形にして、それを修正していくという方式のほうがはるかに効率的です。
音声入力とクラウド保存
文章を楽に書くという目的のために、私は、2つの技術を使っています。
第1は音声入力。これは、AI(人工知能)によって可能になったものです。第2はクラウド。これによって書きかけのものを保存し、すぐに取り出すことができます。
文書がクラウドにあれば、文書間にリンクを貼ることができます。目次ページからすぐに到達できるので、ファイル数がいくら増えても迷子になることはありません。
この仕組みの詳細については、拙著『書くことについて』(角川新書、2020年)、『「超」メモ革命』(中公新書ラクレ、2021年)を参照してください。
音声入力を最大限に活用しよう
いま、文章は音声入力で書くことができます。スマートフォンに向かって話しかけると、それを文字にしてくれます。
検索の場合に検索語を音声入力することは、多くの人が行っていると思います。このような短い言葉だけでなく、もっと長い文章を音声入力で書くことができるのです。
歩きながらでも、寝そべったままでも書けるので、たいへん便利です。30分程度散歩をする間に、2000字程度の文章を簡単に書くことができます。