日本のみならず外資でもとはがっかりだ……。広告会社に勤める姫川さん(39歳)は女性が出世できない理由をこう見ている。
【姫川】現実問題として、30過ぎると女は体力がガタッと落ちます。それまでどおり、男性と肩を並べて突っ走ることはできなくなる。はっきりいって入社時の男女の能力差なんてありません。むしろ女子のほうがコミュニケーション能力も高く仕事ができる子も多い。それなのに女が転職、結婚、出産でモタモタ足踏みしているうちに、男がサーッと追い越していく。
厚生労働省発表の「平成20年版 働く女性の実情」によると、大学・大学院卒の女性のうち44.2%が、出産・育児のために労働市場から退出し、その後も復帰が不可能な状況にある。特に高学歴女性ほど結婚、出産後のキャリアアップを望んでいるものの、挫折しているケースが目立つ。
それでもあえて女性が働き続け、その先に出世を望むとすればどうしたらいいのか。その抜け穴を探るべく、座談会は進んでいった――。
【北島】わが社で女が出世する唯一の方法は、会社の広告塔になること。私の働く保守的な組織でも、今は女性管理職を増やしたがっている。というより、そう社会にアピールしたい。「わが社はこんなにも女性の社会進出を助けていますよ」と。事実そのレールに乗って成功した人もいます。彼女は「会社が求める『キャリアと家庭を両立する幸せな女性』を演じる。あとは何の成果も出さなくても広報部長よ」と笑っていました。もっとも、実際に後続する人がどれだけいるかは疑問ですけど。企業が本気で女性を引き上げるはずなんてないですから。
以前、26人いる部下が全員男性、しかも私の父親世代だったことがあるんです。でも誰も役職名では呼んでくれず、呼びかけは「ねえちゃん」。キッと睨み返したら「おぉ、怖(こ)ぇ」って。男の上に女が立つなんてこと、決して望まれてはいないんですよね。