だが、年間50万円程度の売り上げ規模で、事業と認められるのか?

「継続して行うことが事業として認められる要件です。売り上げの規模は関係ありません」(飯塚氏)

たとえ小さな規模でも、事業を行う以上は黒字を目指さないと意味がない。節税目的などは当然、NGだ。

Y氏のケースでは、事業用として購入する一組10万円未満の家具やパソコンなどはその年の経費に算入できる。また、自宅を事務所として使用するなら、水道光熱費や通信費、家賃などの一部も経費にできる。自宅が持ち家の場合には、建物の減価償却費の一部を経費に入れることも可能だ。

「その事業に要した時間や使ったスペースなどを考慮したうえで、合理的な説明のできる割合なら、事業の経費として認められるはずです」(同)

事業所得として申告するには、まず税務署に開業届を提出する。この際、青色申告を選べば特別控除が認められるなどのメリットがある。手軽な白色申告を選ぶ方法もあるが、それでも簡易記帳は義務とされている。

なお、サラリーマンの場合、勤務先によっては副業禁止の規定を設けていることもある。副業収入を確定申告して住民税額が変わることで、副業が会社にばれてしまうケースも少なくない。特に、副業の赤字を申告する場合には、会社に知られることは避けられない。まずは勤務先の就業規則をよく調べ、会社側の厳しい対応が予想されるときは無理しないほうが無難だろう。

※すべて雑誌掲載当時

(坂本道浩=撮影)