葬儀会社から賄賂を受け取ったとして受託収賄の罪に問われている神奈川県警の元警部補・加藤聖被告(48)。2月15日に横浜地裁で初公判が開かれ、加藤被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。その上で、「神奈川県警はどこの警察署でも葬儀会社から金券をもらっていた」と”爆弾証言”。警察関係者に衝撃が走っている。
かねてから“問題行動”が多いと言われていた加藤被告。一体どのような人物なのか。昨年10月の逮捕直後にその素性を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2021年11月4日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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10月21日、神奈川県警の現職警察官が逮捕された。受託収賄容疑で逮捕されたのは、大和署勤務の警部補・加藤聖容疑者(48)だ。
「加藤は、警察が扱う遺体の搬送業務を大和市の葬儀会社『林間葬祭』に斡旋する見返りに金品を受け取っていました。逮捕容疑は19年3月以降、13回にわたり現金と商品券約200万円分を授受していたというもので、余罪を含めて捜査しています」(社会部記者)
林間葬祭を実質的に経営していたのは、宮前署警部補・河合博貴容疑者(65)の妻・恵子容疑者(60)。夫妻も贈賄容疑で逮捕された。
「加藤と河合は、同じ課に所属していた先輩後輩の間柄でした。河合は定年退職後に再任用されて宮前署で働いていましたが、大和署の刑事一課で遺体の検視を担当していた加藤と頻繁に連絡を取り合っていた。林間葬祭とトラブルになった加藤が今年2月、自ら県警に打ち明けて事件が発覚しました」(捜査関係者)
県立高校を卒業後に警察学校に入校した加藤。県警では、本部の捜査一課や相模原署、厚木署で強行犯捜査などを担当してきた。
「剣道の有段者で、身長も185センチ以上あります。あだ名は“ラオウ”。機転も利くので被疑者の取り調べがうまく、調書を書かせてもピカ一です。彼の機動隊は職務質問からの犯罪検挙件数が抜群に多く、表彰されたこともあった。県警幹部にも気に入られ、治安が悪い地域の所轄に送り込まれては活躍してきました」(県警関係者)
だが、“凄腕刑事”の顔を持つ一方、問題行動を繰り返してきたという。