35歳サラリーマンの自分資産は1億円以上
個人が資産運用を考えるとき、「損を取り返そう」という気持ちは持たないほうがいい。古来、大損は起こってしまった損を取り返そうとして無理をして発生します。損は過去のことであり、今後を考えるうえでの材料にはなりません。
発想のうえで大事なのは、401kの運用を「老後資金」だとか、「長期運用」だとか、他の資産と特別に区別しないことです。株や預金など、401k以外の資産を含めた自分の全資産の中で現金や株、債券の持つべき割合を決め、次にどの部分を401kに割り当てるか、と考えるべきです。
ここで、自分の「全資産」とは何でしょうか。実は、多くのサラリーマンの場合、実質的な資産のうち最大の割合を占めているのは、「自分自身の価値」です。
たとえば35歳のサラリーマンが今後、定年までにあと2億~3億円稼ぐとすると、その人自身を資産評価した場合の価値は1億~1億5000万円になるでしょう。金融資産を1000万円持っているとしても、1億円以上の「全資産」の10%以下です。ですから、生活費の3カ月分、たとえば150万円くらいを普通預金で持つとしても、残りの850万円は投資信託なら全部株に投資しても大丈夫な場合が多いでしょう。ただし、いくら株式に投資するかは、最終的には「好み」の問題でしょう。
リスクを取って高い利回りを求める資産は内外の株式がいいでしょう。外国債券や外貨預金はリスクのわりに期待できる利回りが低くお勧めできません。