「働きやすさ」と「働きがい」は両輪だ
稲盛和夫●1932年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック(現京セラ)を設立し、社長、 会長を経て、97年より名誉会長。84年には第二電電(現KDDI)を設立し会長に就任。現在、同社の最高顧問。経営者のための経営塾『盛和塾』の塾長として後進の育成にも力を注ぐ。『働き方』『稲盛和夫の実学』など著書多数。
ミドルマネジメントであるならば、部下が働きやすく、部下にとって働きがいのある環境をつくることも大切です。
最近の若い人たちは、働きがいよりも働きやすさを重視すると聞きます。でも私は、その2つは一体不可分のものだと考えます。勤務体制にゆとりがあるとか福利厚生が充実していることは大切でしょう。ですが、それだけでは組織は成長しない。部下が「創意工夫」や「継続」を、自らの意思で成し遂げる風土をつくらなければなりません。
59年、私は支援してくれる知人と京都銀行から出資を仰ぎ、前の会社の仲間である大卒者3人と、高卒者2人、合わせて5人が中心となり京セラを創業しました。私はまだ27歳。一介の技術者で、経営の経験はまったくありませんでした。京都市中京区のはずれ、西ノ京原町というところにあった、ある配電盤メーカーの倉庫を間借りして、中学校を卒業した新入社員を入れて、28人でのスタートでした。
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