成果報酬型へのシフトは計画的に
いきなり成果報酬型に切り替えるのが難しければ、何カ年計画を立てて、少しずつ実現すればいいわけです。基本給は固定でも、ボーナスは成果報酬型という会社もあります。現に、私が30代のときに勤めていた証券会社がそうでした。転職するならそういう会社がお勧めです。
年齢が若ければ下積みとして割り切って一定期間、固定報酬型で働くのも一案です。ただし、3年以内には成果報酬型にシフトする、という期限付きの決意をしてください。日本では、「石の上にも三年」のようなことわざを用いて、一つのことを長く続けないのは根性なしのような言われ方をしますが、残念ながら人生は短いので聞く耳を持つ必要はありません。
経済的自由を得るには「S」以上に
アメリカの投資家で実業家のロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)では、世の中で収入を得る方法は「ESBI」というキャッシュフロー・クワドラントだと定義されています。キャッシュフローはお金の流れ、クワドランドは四等分や四分割という意味で、ESBIは「Employee(従業員)」「Self-employed(自営業者)」「Business owner(ビジネスオーナー)」「Investor(投資家)」の言葉の頭文字をとったものです。そして、各クワドランドの金銭的価値観は、次の通りです。
E(従業員):安全
S(自営業者):独立
B(ビジネスオーナー):富の形成
I(投資家):経済的自由
世の中の9割の人は、自分のお金の儲け方をEの状態で止めます。しかし、Eのままでは、経済的自由も時間の自由も得にくい、というのがロバート・キヨサキの考え方です。
私はこの考え方には概ね賛成で、補足するなら、EをしながらSの準備としてブログやYouTubeを始めたり、投資信託などでIを行ったりするなど、並行してできることもあります。実際、私は会社に勤めていたころからブログを始めてアフィリエイト収入を得て、副業として本の執筆も始めました。
Eのままでも十分な収入をくれる企業は少数存在しますが、それは長時間労働と引き換えです。Eのままで、十分な収入と自由な時間を手にできる「キャッシュリッチ&時間リッチ」にはなることは定義上不可能なのです。
1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。著書に『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)などがある。