僧侶でメイクアップアーティストの西村宏堂さんは、24歳まで同性愛者であることを家族に隠していた。「普通と違う自分」に劣等感を感じていたという西村さんが、カミングアウトを決意した理由とは――。

※本稿は、西村宏堂『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

西村宏堂さん
撮影=佐藤将希
西村宏堂さん

「自分は劣等なのだ」と思い生きてきた

私は、僧侶で、メイクアップアーティストで、LGBTQの当事者です。お坊さんとしてお経を唱えて、メイクもして、ハイヒールも履き、キラキラのイヤリングもつけて、同性愛者であると公言しています。といっても、堂々と胸を張って自分のことを話せるようになったのは、26歳からでここ数年の話。

私は20年以上、周囲の人たちと違うセクシュアリティを隠し続け、自分は劣等なのだと思い生きてきました。他人に笑われたり、批判されることにビクビクしながら、自分が“普通じゃない”ことに罪悪感を感じ、正直な気持ちを隠しながら生きてきたんです。

小さい頃はディズニー・プリンセスに夢中

幼少期は、お姫様ごっこやお絵描きなどの遊びが大好きでした。幼稚園の卒園文集に書かれた先生の言葉には、私がシンデレラごっこの遊び方をみんなに教えてあげていたとありました。

幼少時代は頭にスカートをかぶってロングヘアーみたいになるのが好きだった
幼少時代は頭にスカートをかぶってロングヘアーみたいになるのが好きだった(写真提供=西村宏堂)

母は私が家で「こうちゃん、女の子よ!」と言って、母のミニスカートをはいてくるくる踊っていたと言います。当時、街で「かわいい女の子ね」と声をかけられると、母は「いいえ、男の子なんですよ」って答えていて、それを聞くたびに私は、「えー、ちがうのに~」ってがっかりしたのを覚えてる。

大好きなのは、ディズニー・プリンセス。お友だちが園庭や校庭でドッジボールをしていても、その輪の中に入りたいと思ったことは一度もなくて。突き指しそうで怖いし、そんなことするくらいなら、たとえひとりでも部屋の中でアリエルやセーラームーンの絵を描いているほうが楽しかったの。