現在TBS系列で放送されヒット中のドラマ「ドラゴン桜」。原作漫画『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』を、作者・三田紀房氏との二人三脚で成功に導いてきたのが、編集者で株式会社コルク代表の佐渡島庸平氏だ。三田作品のほかにも『宇宙兄弟』などの人気作を生みだしたあと講談社を退社し、日本のコンテンツビジネスを世界に通用するものとすべく、クリエイターのエージェンシー「コルク」を起業。最前線を走る佐渡島氏が、日本のコンテンツビジネスの現状と、その先に見据えるビジョンについて語った──。

「日本の漫画」は韓国・中国に惨敗した

漫画アプリ「ピッコマ」などを展開する韓国企業カカオエンターテインメントが、ニューヨーク市場での上場を計画しています。その際の企業評価額として、同社は約2兆円を見込んでいるとのこと。

日本で漫画を手がけている大手出版社と比べると、事業規模が文字通りひとケタ違う。この一事を見るだけでも、日本の漫画は韓国、それから中国とのデジタル化・国際化競争において、完全に後れを取っているのは明らか。

僕は「日本の漫画を世界的なコンテンツにする!」という目標を掲げて2012年に起業したけれど、この10年の結果を見れば自分も含めてやはり、現時点では、韓国・中国のコンテンツ産業に「惨敗」したと言うしかありません。

そこはいさぎよく認めて、現在は作戦を練り直して再スタートを切った、というのが現状です。

日曜劇場「ドラゴン桜」第1話より
©TBS
日曜劇場「ドラゴン桜」第1話より

世界標準は「縦スクロール・オールカラー」のスマホ漫画に

他のエンターテインメントと同じように、今は漫画もスマートフォンで読むのが世界の主流。紙の漫画誌やコミックが根強く残る日本の状況は、例外中の例外と言っていいでしょう。

スマホで読まれている漫画は、フォーマットも従来の日本のコミックとは違っています。スマホの仕様に合った「縦スクロール・オールカラー」の形式が開発されていて、これは「ウェブトゥーン(Webtoon)」と呼ばれている。日本以外ではたいてい世界中の誰もが、そのフォーマットで漫画、いやウェブトゥーンを読んでいます。

ウェブトゥーンと聞いてパッとイメージできない人でも、動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)で世界的にヒットしたドラマ「梨泰院クラス」の原作漫画『六本木クラス』が連載されていたと聞けば、「ああ、あれか」となるのではないでしょうか。また最近では、漫画『女神降臨』が全世界累計40億PVを叩き出すなどしています。

まさに世界の漫画コンテンツビジネス界を席巻している存在といえます。