日本の最大野党である立憲民主党は、政権交代を果たせるのか。国際政治学者の三浦瑠麗氏は「価値観調査で明らかになったのは、投票行動に最も影響する政策が実は外交安保であること。立憲民主党のリベラル路線は、外交安保リアリズムをとる多数の有権者を遠ざけている。これでは政権交代は難しいだろう」という——。(前編/全2回)

※本稿は、三浦瑠麗『日本の分断 私たちの民主主義の未来について』(文春新書)の一部を再編集したものです。

立憲民主党の定期党大会で、オンラインの参加者に壇上から手を振る枝野幸男代表(中央)ら
写真=時事通信フォト
立憲民主党の定期党大会で、オンラインの参加者に壇上から手を振る枝野幸男代表(中央)ら=2021年1月31日、東京都内のホテル

政治的価値観が「定食メニュー化」しにくい日本

政治化したイデオロギーや価値観には、異なる人びとを結び付け、互いに連帯感を持たせる効果がある。実際には対立がないはずの分野で、政党の対抗意識によって新たな対立が生まれ、分断が深まることもあれば、政党が複数の価値観を結び付けて定食メニュー化を図ることもある。