「春の不調」を感じる人に産業医が伝えること3つ

初期症状としては、体がだるい、頭痛がする、胃が痛いなど、何かしら体の変化があります。なんだか調子が悪くて、内科に診てもらったけれど、何もなくて精神科をすすめられたという流れですね。

患者
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症状が重篤であれば、専門医に診てもらい、薬物治療を受けることをすすめますが、生活指導まではしてくれません。ですから僕たち産業医は、主に病院ではできない生活指導をすることになります。

そのときにお話しするのは、次のようなことです。

(1)良いこともストレスになる

そもそも人は変化自体をストレスと感じるので、栄転や結婚など、一般的に良いと言われることも実はストレスになります。周りから「おめでとう」「いいところに入ったね」と言われると、ますますしんどいと言える雰囲気ではなくなり、自分の中でどんどんストレスが溜まっていきます。でも、どんなことでも変化があると誰でもストレスになります。それを知っているだけで、気持ちが楽になるのではないでしょうか。

(2)季節の変わり目は体調をくずしやすい

春は寒暖差の大きい時期。人の体は、そういった気温の変化に対応させるために、交感神経が活発に働きますから、なかなか寝つけない、眠りが浅い、目の覚める回数が増えるなど、睡眠に影響が出てきます。だからこそ日中に体がだるかったり、イライラしたりするわけですが、そういった症状も、この時期には仕方ないこと、一時のことだととらえることが大切です。

(3)スローペースでスタートする

新しい年度の始まりにあたり、やる気に満ち溢れた人を見ると焦りを感じることもあるでしょう。けれど誰しもストレスを抱え込みやすい時期だからこそ、周囲に影響されてガツガツするのではなく、意識的にスローペースで前に進むことが大事です。心がけてほしいのは、いつも以上に積極的にリラックスする時間をとること。おふろはシャワーですまさず湯ぶねに入る、寝る1時間前はスマホからはなれて好きな音楽や香りを楽しむ、家では落ち着いた時間を過ごすことを意識してほしいですね。

頑張りすぎている自分に気づいたときは、この3つのことを思い出してください。そのまま突っ走ると、5月病に発展しかねません。まず生活リズムをととのえて、健康第一にやっていくことが大切になります。