※本稿は、横山泰行『ポケット版「スネ夫」という生きかた』 (アスコム)の一部を再編集したものです。
スネ夫は「人に好かれる行動」を瞬時にできる
本稿では、「スネ夫がなぜ人に好かれるのか」という秘密を明かしていきます。スネ夫のヘビーウォッチャーである私に言わせてもらうと、人から好かれる「技術」というものは、確かに存在すると思います。また、「好かれよう」と思って意図して行動することも、大切なように思います。スネ夫の行動は、よい意味で「計算ずく」です。
俳優の森山未來さんが4人の美女にモテる……という大ヒット映画『モテキ』がありました。しかし現実社会では、なんの努力もしない主人公の青年が急にモテはじめるという夢のような展開は、残念ながらちょっと考えにくいことです。
他力本願な姿勢では、年を重ねるにつれ、さしずめ「嫌われない」という現状維持が精いっぱいでしょう。もちろんそれは、男女の恋愛に限ったことではありません。
最初に、スネ夫が年上の大人たちにえこひいきされているシーンを見てみましょう。ここには驚きの演出がこらされています。彼は「人に好かれるシナリオ」を頭の中で瞬時に作り、名演出家のように巧みに他の役者(他人)を動かし、主役を堂々と演じ、観客の視線を一手に集めてしまうのです。ある意味「ズルい」と言えるかもしれませんね。でも、スネ夫をマネすれば、あなただって彼のようなオイシイ思いができるはずです!
ある日ジャイアンは雨が降ってもあふれないようにと、一人でどぶの掃除に励んでいました。そこへスネ夫が通りかかり、「めずらしい……」と感心します。
しばらくすると、遠くからスネ夫のママたちのグループが歩いてくるのに、スネ夫だけが気づきました。彼はさっそく点数を稼ごうと、ジャイアンに「一人でたいへんだろう、かわろう」とやさしく声をかけ、シャベルを受け取ります。
すると、近づいてきたママグループは、てっきりスネ夫が一人でどぶ掃除をしていたのだと誤解し、スネ夫をほめそやします。さっきまでマジメに掃除をしていたジャイアンには目もくれません。
「まあ~、スネ夫さん感心ですわねえ」
「いつも人のためにつくせと教えてありますわ」
スネ夫のママは、息子をホメられて鼻高々でした。
『てんとう虫コミックスドラえもん 第18巻』小学館 第3話目「ひい木」