「他人へのイジり」も要注意

これに近いパターンで失敗する人が多いのが、「他人へのイジり」で笑いを取ろうとすることです。普通の人がやらないような、他人に対する失礼な行動で笑いを取るというものですが、これも「異常と言える失礼な発言を普通にしている」ことで、ズレたカツラ理論(カツラがズレるという明らかな異常事態にかかわらず、本人が通常通りの行動を続けるような状況において笑いが生じやすい)が成立することにはなります。

しかし、異常なことを何度も繰り返せば、カタコトの英語で笑えなくなるように、いつか普通になってしまいます。だから、「ちょっとくらい失礼でも、他人をイジっていればウケるんだ」と考えてしまうと、たとえば、こんな感じでエスカレートしていってしまいがちです。

・レベル1:飲み会などの無礼講の場で、先輩の容姿をイジって笑いを取ろうとする
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・レベル2:白昼堂々、先輩の容姿イジりで笑いを取ろうとする
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・レベル3:お客さんの容姿をイジって笑いを取ろうとする

エスカレートして逮捕される事例も

このように、ちょっとした成功体験から失礼な行動がエスカレートしていき、最終的には、社会通念上、許されないレベルに達してしまう人もいます。そうなれば、ウケるどころの話では済まなくなります。それが、自分にとっても相手にとっても、大きなマイナスになる可能性があることは、火を見るより明らかです。

かつて渋谷のスクランブル交差点に、布団を敷いて寝るという映像を撮影したYouTuberが警察のお世話になりましたが、これも「変わった行動」だけでおもしろいを狙っていった結果、エスカレートしたがゆえの悲劇と言えます。