複数のアクションを同時に習慣化することはできない

しかも、やる気満々で張り切っている人の場合、それだけで終わらないということもあります。「せっかくだから」と考えるのです。

「せっかく早起きするんだから、勉強だけでなく運動もしよう」「せっかく早起きするんだから、勉強だけでなく掃除もしよう」というふうに、ついつい欲張ってしまうという具合です。

つまり、この場合には、「早起きをする」「出勤前の朝に勉強をする」「出勤前の朝に運動をする」「出勤前の朝に掃除をする」という、じつに4つもの習慣を一度に身につけようとしていることになります。

冷静に考えれば、そんなことが簡単にできるはずはありません。

習慣化は1つずつ行うこと

きちんと早起きできたとしても、勉強する気にならないこともあるでしょう。

古川武士『習慣化のプロが教える 幸福感を高める7つの小さな習慣』(プレジデント社)
古川武士『習慣化のプロが教える 幸福感を高める7つの小さな習慣』(プレジデント社)

このケースの場合、勉強に加えて運動も掃除もしようとしているわけですから、たとえ勉強する気になっていたとしても、運動や掃除をする気にならないこともありえます。

そして、どれかひとつでもできなければ、「きちんとできなかった……」と思ってしまう。すると、習慣化の天敵である、「どうせ自分にはできない」という「学習性無力感」におちいってしまうリスクも高まっていきます。

「習慣化」の際は、複数の習慣を同時に身につけようとすることなく、興味を持ったものから1つひとつ身につけていくことを心がけてほしいと思います。