2065年には、2人にひとりが高齢者に

日本では一足先の2007年に高齢化率が21%を超え、超高齢社会に突入している。

2020年の時点で、人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、日本は28.9%、韓国は15.7%と、まだ日本の半分強である。だが、その後は日本を上回るスピードで高齢化が進み、2065年には人口のほぼ2人にひとりが高齢者である社会が到来すると見込まれている。

韓国は、これから半世紀で高齢化が急速に進行し、「世界でもっとも老いた国」になるとの予想である。高齢者が増えれば、社会全体の格差が大きくなることは避けられない。

他方で社会を支える働き手である現役世代の割合は急減する。2020年の時点で、韓国の総人口に対する生産年齢人口(15〜64歳)の割合は71.1%だ。これは「先進国クラブ」と称される、経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国のなかでトップである。

ところが、2065年になると、この生産年齢人口は、日本の51.4%よりもさらに低い45.4%にまで転落すると予測されている(中位推計)。この割合はOECD加盟国のなかで最低水準であり、変化のスピードの速さが際立つ。

「花瓶型」という人類初の人口ピラミッド

高齢者が多数派となる韓国の近未来は、どのような社会になるのか。全体の人口を年齢順に並べた中間にくる「年齢中位数」は、2018年の42.6歳から2067年には62.2歳へ上昇する。つまり、総人口の半数が、62歳以上になる。

2018年の人口ピラミッドは、14歳以下の人口の割合は低いものの、まだ30〜50代の年齢層に厚みがある壺型である。

それが、2060年には65歳以上の人口の割合が大きく膨らみ、花瓶形に変わる。これは、いまだかつて人類が経験したことのない人口ピラミッドの形である。

韓国の人口ピラミッド 2018年と60年予測

2060年には、15〜64歳の現役世代が絶対数も割合も急速に縮小し、年齢が下になるほど萎んでいく。一方で、5人に1人が80歳以上という超高齢社会になると見込まれている。1971年に、韓国史上もっとも多い102万人の新生児が生まれているからだ。その赤ん坊が後期高齢者になったとき、韓国は世界トップレベルのシニア大国となる。

他方で2018年の婚姻件数は過去最低を記録しており、20代の未婚率は91.3%に上る。同じく晩婚化が進む日本で20代の未婚率が79.7%であることと比べても、韓国の晩婚化は際立っている。晩婚化が進むだけでなく、生涯未婚率も上昇の一途を辿っている。