その非常識さを自ら世界に示した韓国
謝罪像の設置は、国際儀礼以前に、常識と良識に照らして受け入れられるものではない。それは海外の論調を見ればよくわかる。欧米メディアは、わが国が韓国に対する“怒り”を示したと強い文言を用いて謝罪像の設置を報じた。
その根底には、韓国のわが国に対する態度は礼節を欠き、許容できないとの考えがある。韓国はわが国に身勝手な要求や批判を行うことによって、自ら世界に自国の非常識さを露呈した。
それに加えて、韓国が政府間の合意を無視していることも国際社会のルール、常識から逸脱している。歴史問題に関して、過去、わが国は韓国と複数の最終的な合意を結んだ。1965年の日韓請求権協定は、両国間の請求問題が“最終的かつ不可逆的”に解決されたと約した。
同協定は両国間で意見の対立が生じた場合には、2国間協議や仲裁委員会の設置を通じた解決が目指されることも規定した。
文在寅の“いいとこどり”で理念なしの政策
しかし、2018年10月に韓国最高裁が日本製鉄に元徴用工への賠償を命じて以降、文政権はわが国の協議要請などを無視した。2019年1月には原告側が日本製鉄の資産を差し押さえ、本年8月4日に公示送達が効力を発揮した。
その間、韓国はわが国と日韓請求権協定の順守を確認したものの、約束は果たされなかった。元慰安婦問題に関しても、文大統領は2015年の日韓両政府の最終合意を反故にした。国際法を守らない韓国が世界の信用を得ることは難しい。
文大統領のそうしたスタンスは、対米、中、北朝鮮政策からも認識できる。文大統領は外交面では北朝鮮を、安全保障では米国を、経済運営に関しては中国に大きく依存している。その政策は、言ってみれば“いいとこどり”の理念なしの政策運営といえる。
韓国は国家安定の要である安全保障を米国に依存している。本来、韓国は米国との同盟関係の強化をベースに経済や外交政策を練らなければならない。しかし、文大統領は、米中および北朝鮮に対して、自らに都合よくふるまうことによって世論に成果をアピールしようとした。