中国では、「ライブコマース」がトレンド

三越伊勢丹でも、複数の関係者が集まって顧客の現状を議論しながら、時間をかけてカスタマージャーニーマップを作成したと升森さん。すると、「いまのお客さまは、こんなに早いタイミングで、他の店舗やインターネット、SNSからこれほど情報を得ているのか」など、多くの気づきがあったそうです。

一般に百貨店は、リアルの店舗を非常に大切にする業界と言われます。ですが、すでに顧客はリアルとバーチャルを自由に行き来するようになってきたほか、若い世代は「動画」に慣れた世代。ショッピング情報も、ユーチューブやインスタグラムなどの動画から得る若者が増えています。

またEC先進国の中国では、いまや「ライブ動画&オンラインショッピング」の「ライブコマース」が花盛り。百貨店も含めた多くの業態が、「淘宝(タオバオ)」などで盛んにライブコマースに取り組み、市場規模は約6兆4000億円にものぼるとも言われるほどです(19年 iiMedia Research)。

今回、新型コロナという大きな波を機に、日本の百貨店がどんなニューノーマルを打ち出していけるのか。その1つのヒントは、先進的な三越伊勢丹の取り組みにありそうです。

牛窪 恵(うしくぼ・めぐみ)
マーケティングライター

マーケティング会社インフィニティ代表取締役。修士(経営管理学/MBA)。2020年4月より、立教大学大学院・客員教授。同志社大学・ビッグデータ解析研究会メンバー。財務省・財政制度等審議会専門委員、内閣府・経済財政諮問会議 政策コメンテーター。著書に『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け!』(ともに日本経済新聞出版社)、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社)、『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー21)ほか、著書を機に流行語を広める。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。