7.日中の集中力が増す

「朝1時間」のタスク管理が習慣化すると、朝があなたの「ピークマネジメント」の時間となります。「ピークマネジメント」とは、アスリートが試合の本番に自分を最高の状態に持っていくために、いつもの「勝ちパターン」を儀式として行うことをいいます。

2015年にはラグビーの五郎丸歩選手がキック前にする「あのポーズ」が話題となりました。元大リーガーの松井秀喜選手も現役時代、自分の名前がコールされ、打席に向かうまでに次の動作で精神統一をはかっていたそうです。

・両手でバットの端を持つ。
・体を前に倒す。
・体を旋回するストレッチで体をほぐす。
・左右で素振りをした後、ピッチャーの投球モーションに合わせて素振りをする。
・打席に入ったとき、足で土をならす。
・構えに入るときにバットの先を一瞬見つめる。
(出所:『壁を打ち破る100%思考法』PHP文庫)

このように、自分が「のってくる」状況を意識的につくる儀式として朝1時間をタスク管理に充てていきましょう。「この行動で私はうまくいった」というパターンを繰り返し、「モーニングルーティン」とすることによって、自分にいい暗示をかけることができます。自然と身体が動くような習慣になれば、行動の幅が広がります。

朝1時間のタスク整理で気持ちよく1日を過ごそう!

心理学者ミハイ・チクセントミハイは周囲のざわめきが気にならないくらい思いきり物事に集中している状態を「フロー状態」と名づけました。朝の1時間でタスクを段取りする行為を「フロー状態」でつくることができれば、朝イチから「このタスクを今日1日でクリアするぞ!」という気持ちが高まります。

また、「朝1時間」でリスト化が済んでおけば、すべきことが自動的に決まってくるため、急な相談や突然のトラブルで仕事が中断したとしてもすぐに「すべきこと」に戻ってくることができます。

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池田 千恵(いけだ・ちえ)
朝イチ業務改革コンサルタント

二度の大学受験失敗を機に早起きに目覚め、半年の早朝勉強で慶應義塾大学総合政策学部に入学。外食ベンチャー企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て、2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)を刊行。ベストセラーとなり、「朝活の第一人者」 と呼ばれるようになる。夜型から朝型に変えた実体験と多くの人の早起き習慣化を指導した実績をもとに、2010年より朝専用手帳『朝活手帳』をプロデュース。10年連続で発売する人気手帳となる。「朝1時間」の業務改革による生産性向上、働き方改革 のための手法を企業に指導しているほか、個人に向けてはキャリアに迷ったとき自分の将来を真面目に楽しく語り、学びたい人向けの朝活コミュニティ「朝キャリ」を主宰。2020年4月現在4歳となる男児を育てるワーキングマザー。