金の卵をたくさん産む“ガチョウ”がいるかが問題

一般的には借金の多い企業よりも少ない企業のほうが経営の安定性は高い。しかし、企業の成長力の面から考えると、借金の少ない企業=優秀な企業とは言い切れない。ここでは、借金の額と企業の成長力との関係を見ていこう。

B/Sのように借金の多い企業と少ない企業があった場合、どちらが優秀といえるか。それは資産の中身を見なければ判断できない。たとえば、毎日金の卵を産むガチョウとほとんど金の卵を産まないガチョウを売っていたとする。前者は値段が高いので多額の借金をしなければ買えない。一方、後者は値段が安いので、手持ち資金で買える。将来を考えた場合、どちらのガチョウを買うのが有利か。金の卵をたくさん産んでくれるなら、借金をしてでも買った企業が将来は有利かもしれない。では企業にとって金の卵を産むガチョウとは何か。

「ガチョウは収益源ですから在庫、設備、権利の3つがあります」

高く売れる商品があるか、いい商品を製造できる設備があるか、利益を生み出す特許権などを保有しているかを見て、判断する必要がある。

借金は少ないほうがいい?