決算書を読みこなすと、企業の成長力が判断できる。その能力は取引先を見極めるときや転職先を探すとき、あるいは株式投資で銘柄探しをするときにも役立つはず!

決算書ではズバリ企業の成長力を見る

決算書を読みこなしたいと思って勉強をはじめたが、挫折してしまった──。そんな経験を持つ人も多いだろう。たしかに会計には数多くの専門用語があり、ハードルが高い。しかし、“何を読み取るか”さえ理解すれば、難しくないという。公認会計士・税理士の柴山政行さんは、こうアドバイスする。

「会計はそもそも(人に)会って、(その功績を)測ること。経営者の功績を評価し、引き続き経営を任せるかどうかを判断するツールです」

では決算書から何を読み取ればいいのか。それは「ズバリ、企業が成長する力」だという。具体的な方法を紹介する前に、決算書の全体像を把握しておこう。

上場企業の決算書は、「有価証券報告書」という名称で公開されている。企業のサイトや金融庁が運営する有価証券報告書等の開示システム「EDINET」で入手できる。

ただし、有価証券報告書は膨大なページ数があり、すべてを理解するのは難しい。そこでチェックしたいのが、3つの書類。「貸借対照表」(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュ・フロー計算書(C/F)だ。これを「財務3表」と呼ぶ。

決算書でチェックすべきはこの3つ