Twitterやインスタで若者から絶大な支持を集めている「りょうくんグルメ」。タピオカブームにも一役買った彼が「次に来る」と断言するものとは。そして今後のSNS戦略は──。聞き手は若者文化を研究する原田曜平さんです。

ベーグルと韓国マカロンはなぜ広まらなかったか

【原田】去年(2019年)はタピオカが大ヒットして、新語・流行語大賞にも「タピる」という言葉がランクインしました。ただ、このブームが今後もずっと続くとは思えず、マーケティング業界では次に何が来るのかが関心の的になっています。りょうくんの意見を聞かせてください。

グルメ系インフルエンサー「りょうくんグルメ」のりょうくん。
グルメ系インフルエンサー「りょうくんグルメ」のりょうくん。

【りょうくん】流行るためのポイントっていくつかあると思うんですが、中でも一番重要なのは「巡ることができる」点じゃないでしょうか。店を巡って楽しめれば、それ自体が趣味になる。だから流行るんだと思うんです。次に大事なのが、メニューにバリエーションがあること。味や見た目が多様であればあるほど、巡りたい気持ちも盛り上がりますよね。タピオカもそうでしたし、ほかにもそういう商品はたくさんあります。

【原田】そうすると、流行る要素を持っているスイーツは結構多そうですね。でも、そうした条件をクリアしているのに「来る」と言われながらブームにならなかったものもあります。どうしてなんでしょうか。

【りょうくん】ヒットしそうになっても、店の数が「巡りたい」と思わせるほど多くないとダメなんです。例えばベーグルは、若者に人気のモチモチ食感で中に挟む具材もバリエーション豊富ですよね。でも、一時流行りかけたのに専門店はそれほど増えませんでした。トゥンカロン(韓国マカロン)も、これは来ると思って「りょうくんグルメ」でも紹介したんですが、店がなかなか増えなくて……。店側がヒットの兆しに気づかないのかも。もったいないなと思います。