自信がない人ほどNOと言えない

「すぐやる人」は、やらない基準をはっきりとさせることで、他人に対してもきっぱりとNOと言います。

自分の人生をコントロールしている感覚を維持するためには、精神の自由が不可欠なのです。断るべきことも見極められます。

「自分に対して自信がない人ほどNOとは言えず、YESと言ってしまうクセがある」これは、心理学の世界で言われていることです。

「すぐやる人」は自分の時間管理への意識がとても高いので、他人からの要望や依頼でもきちんと見極めます。

体は1つしかありませんから、自分がやろうとしたことに時間を使うのも、誰かに頼まれたことに時間を使うのも、平等に与えられた時間を削ることには変わりがありませんよね。

「保留」という選択肢も念頭に

大切なのは、「YES」か「NO」の2軸で考えないことです。常に「保留」という選択肢があります。もちろん全面的に「YES」だと感じるものは何も断る必要はありません。

塚本亮『「すぐやる」思考法』(明日香出版社)
塚本亮『「すぐやる」思考法』(明日香出版社)

しかし、現状では「YES」とも「NO」とも判断がつかない、グレーなものって少なくないですよね。

「出張が入るかもしれなくて、わかり次第返答していいですか」
「仮では予定が入っているのですが、未確定なのでわかり次第お知らせします」
「私1人で判断できないので、上司と確認します」

それから冷静にどうするかを見極める時間を持てばいいですね。

もちろん、完全にNOの場合もあるでしょう。面と向かって断ることが難しいと感じるかもしれませんが、早い段階で断ることは相手へのリスペクトだと考えましょう。

写真=iStock.com

塚本 亮(つかもと・りょう)
ジーエルアカデミア代表取締役

同志社大学卒業後、ケンブリッジ大学大学院修士課程修了。『英語ができる人、できない人の習慣』をはじめ著書多数。