社内の“粘土層”をどうするか 

【白河】経営トップが女性の活躍推進を重要視していても、中間管理職層がなかなか変わらないという問題もよく聞きます。

【澤田】部門ごとに事情はいろいろあるのでしょうが、私の考え方を繰り返し伝え、変わろうと言い続けています。以前は「そうは言ってもどうすれば」という戸惑いもあって変われないマネジャーに対して、メンバーが不満を持つという構図もありましたが、最近では世の中の変化もあってわかってくれる人が多くなりましたね。

ものを言いやすい雰囲気をつくる

【白河】みなさん、かなりざっくばらんにお話しされているようですが、こうした「ものを言いやすい雰囲気」というのは、澤田社長が就任される前からあったのでしょうか?

【澤田】私も、ものが言いやすい雰囲気にしないといけないと思っていますが、もともと私の2代前の社長のときに、役職で呼ぶのを辞めているんです。「〇〇部長」「〇〇課長」ではなく「〇〇さん」と、全員さん付けで呼ぶようになったんです。それで随分雰囲気が変わりましたね。私ももちろん社員から「澤田さん」と呼ばれます。「さん付け」は文化や風土を大きく変えます。かなりものを言いやすい雰囲気になると思います。

そんな風ですから、私も他社の社長さんはさん付けで呼んでいます。そうすると相手も私のことを「澤田さん」と呼びますから、すぐに親しくなれる感じがしますね。