公開プロフィールは「ガチでリアル」

僕は「安全性ガー」「ありのまま二―」などといったありがちでつまらないメリットでは、匿名での活動を選んだりしない。

そもそも、フミコフミオという完全な匿名で活動しているが、プロフィールは「神奈川県の食品会社に勤める45才営業部長。妻と二人暮らしで子供はいない。おこづかい制」というガチでリアルなプロフィールを公開している。

ときおり、ニッチな食品業界の話もインターネットに書かせていただいているので、同じ業界に身を置く、平均的な勘とスマートフォンを持っている人なら「あいつじゃね?」とすでにお気づきになられていると思う。

つまり、安全な立場から発言をするために匿名を使っているわけではないということ。ビビってるわけではないのだ。「バレたら仕方ない」くらいの気持ちではいる。バレかたによっては「ワリー! ワリー!」つって逃走してしまうかもしれないけれど、それはそのときになってみないとわからない。

だいたい、安全性の観点から匿名で活動するのなら、まったくプロフィールを明かさないか、嘘のプロフィールにするか、せめて、年齢を変えるなど、もう少し実像をぼやかしたプロフィールで作り上げているだろう?

結論を繰り返してしまうが、匿名で活動したほうが本名実名で活動するよりシンプルに楽しいのだ。

果たして「実名だから信用できる」は本当か?

匿名は、立場や身分を考慮せず正直に思いのまま書ける面があると述べたが、実際は「なんか怪しい…」という印象を持たれているほうがずっと多い。

ましてやフミコフミオなどというふざけた名前で活動していると、どこからともなく「趣味/正義」の人があらわれて「国民的ヒーローの藤子先生を愚弄するような名前で活動する輩など信用できるはずがない!」とガーガー言ってくる。

僕にはいまいちわからないが、趣味正義マンのように言葉にするかどちらかは別として、「匿名は信用できない」が普通の感覚らしい。

だいたい、本名や実名で活動しているから信用できるのかというと、そういうわけでもない。実際に本名や実名で詐欺行為をしている人は腐るほどいる。実名っぽいからだまされているともいえる。

たとえば、僕がここで突然「私は沢尻エリ夫、45歳、地方公務員、趣味ベルマーク収集」と免許証をさらして、ガチのプロフィールをカミングアウトすれば、フミコフミオより信頼されるだろうか。同様に「ツイッターで100億円プレゼントします」とのたまって、実名とフォトショで加工した預金通帳を、証明になると考えて、さらしておられる御仁をときどき見かけるけれど、あれを信用できるだろうか。

できない。まったくできない。

つまり本名/匿名では信頼性という点ではほとんど関係ないのである。ただ、匿名であることによって、「ん? こいつ何者?」と警戒されることが多くなるというだけだ。

僕がネットに書いた文章を初めて見て、そこに「文責/フミコフミオ」という文字列を見いだしたときに、「あれ? こいつ何者? いんちきくさー」と思わない人はいない。そしてこれこそが僕が匿名で活動することに楽しさを感じる点でもある。