周囲を巻き込んで、公私をうまく両立させる

一方、多くのママさん社員が約1年間の育休を取るのに対し、わずか5カ月の育休で復帰したのが今井聡美さん(30代、入社12年目)だ。彼女はマーケティング本部プロダクトマーケティング部副部長で、さまざまな住宅ローンの商品を拡充させている。部の実質的なトップとして20代の女性から50代の男性部下を統率する。しかも、今井さんの女性部下は、アグレッシブな“肉食女子”ばかり。上司の今井さんに対しても物おじせずに発言し、かつやるべきことをきっちりやるという。そんな肉食女子グループの長らしく、“自分の人生のベースは仕事”と言い切る。

マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 副部長 今井聡美さん

「小学校3年生と4歳の子どもがいるので、もう少し自由な時間があればいいと思うこともありますが、公私ともに、不満はほとんどありません。私の仕事に子どもたちが合わせて付いてきてくれている感じなので、まさに“ワーク・ライフ・ブレンド”ですね」

今井さんは“デキる女性”の典型的なタイプに見えるが、もちろん仕事で悩むこともある。「商品を“一人前”にするためには、時間も手間もかかります。今も、担当している商品の売り上げがなかなか伸びていないのが悩み。でも息子たちと一緒に過ごしていると仕事の悩みから解放されるので、それほどストレスはありません」とメンタルもタフだ。

そんな多忙な今井さんを救ってくれたのが、オフィスのど真ん中にあるカフェとヘルスケアルーム。それまではついついお菓子だけでランチを済ませていたが、「カフェで提供されるサラダが美味しくて、定番メニューにしています。健康的だし、ほかの社員とおしゃべりもできて気分転換になります」。

当初は「金融機関なのに、オフィスの真ん中にカフェがあるなんておかしい」という否定的な意見もあったそうだが、今ではカフェはなくてはならない存在となっている。

AIの活用で、柔軟な働き方を目指す

審査と融資実行の速さもARUHIの特徴だが「ARUHIダイレクト」という、ウェブからの申込窓口を立ち上げたのが、オペレーション本部業務部ダイレクトグループグループ長の中小路恵さん(30代、入社10年目)。10人の部下は、年齢の幅が広く最高齢は70代。みな知識と経験がしっかりとあるので、リーダーとしての苦労はあまりないという。しかしウェブから申し込んでも、実際の審査には多くの書類が必要な状態がもどかしくもある。そもそも住宅ローンの申請が煩雑なので、ウェブで申し込みをしたとしても、その後対面で説明を受けたいという人が多いのが現状だ。