もっと自由で柔軟な働き方ができるようになる
オペレーション業務は、スーパーフレックスの活用や在宅勤務が難しい。またフリーアドレスで仕事ができず、他部署と交流することが比較的少ないので、ほかの社員とコミュニケーションを取りづらい。業務部とそれ以外の部署との働き方の乖離が課題と言えそうだ。しかし「今後AI(人工知能)が人間よりも速く正確に処理してくれるようになると、私の部署ももっと自由で柔軟な働き方ができるようになると思います」と中小路さんは期待する。
そこで、普段顔を合わせない社員同士のコミュニケーションを促すために、毎年クリスマスパーティーや設立記念パーティーなどを行い、社員の士気を鼓舞しているのが冒頭の浜田会長兼社長。30歳でアメリカに渡り、金融とは無縁のシリコンバレーの企業に身を置いた経験が、改革を推進する情熱の源だ。
「働きやすい会社とは、決して安穏と働けばいいということではありません。たとえば単に残業時間を減らす目的のために、もっと働きたい人たちの意欲をそぐようなことがあってはならない。わが社でも解決すべき問題はまだまだあります。いいと思われることは何事もスピーディーに実行して、ダメならダメでやめればいいだけです」ときっぱり。
定期的に社員と一緒にディナーを取る会も主催。食事中に有意義な人事施策案が出た際には3秒で採用したこともあるそう。今後は幹部社員の海外留学制度や、1カ月の長期休暇制度なども計画中だ。
「大事なのは、みなが自分の生き方を大切にして、将来に夢と希望を持つこと。その結果、ARUHIがいい会社だと思ってもらえればいいのです」
まだ成長途中の若い会社だからこそ、社員も顧客も一緒に成長していけるし、幸せな人生とは何かを共に追求できる。そのためには、まずは社員が生き生きと働ける会社であることが大前提なのだ。
撮影=アラタケンジ
ファッション系出版社、教育系出版事業会社の編集者を経て、フリーに。以降、国内外の旅、地方活性と起業などを中心に雑誌やウェブで執筆。生涯をかけて追いたいテーマは「あらゆる宗教の建築物」「エリザベス女王」。編集・ライターの傍ら、気まぐれ営業のスナックも開催し、人々の声に耳を傾けている。