「現在では産休・育休の制度は十分に整っています。今後は全社員がいかに長く快適に働けるかが重要になるので、社員の健康サポートや介護サポートに力を入れたいですね。具体的には、個々人の食事、生活リズム、睡眠の質の向上などを総合的に考えていきたいです。特に家庭を持つ女性は、睡眠が圧倒的に足りないと思います」と大友さん。

フリーアドレス(一部)のオフィス。他部署の人間とコミュニケーションを密に取る。

19年新しくヘルスケアルームが開設され、常駐のマッサージ師の施術を無料で受けることができる。まずは、これが健康管理の糸口になりそうだ。心身ともに健康であれば、おのずと仕事のパフォーマンスも上がるのだ。

ARUHIでは、外国人への融資の割合が全体の1割を占める。これはメガバンクの平均より高い割合。社員にもブラジル、韓国、中国などにルーツを持つ人材が数人在籍する。

得意の語学を生かして、外国人顧客への入り口に

業務コンプライアンス部業務統括グループアソシエイトの岡村クラリセさん(20代、入社4年目)は9歳で来日した日系ブラジル人。ポルトガル語、日本語、英語に堪能なトリリンガルの能力を生かし、入社後、日系ブラジル人へのプロモーション活動と商品企画の内勤を、並行して行っていた。

業務コンプライアンス部業務統括グループ アソシエイト 岡村クラリセさん

しかし、仕事を始めてわずか1カ月で妊娠がわかる。退職を覚悟しつつ上司に打ち明けると「元気な子どもを産んでまた戻ってくればいいよ」と言われ、産休・育休を認めてもらえた。「絶対クビだと思っていたのに……」と驚きとともに感謝の気持ちでいっぱいになったそうだ。その後、育休中から今後の仕事の進め方を模索。「自分の仕事は、銀行の手数料の計算、契約が何件あるかなどデスクワークが多いけれど、もっと効率化できたらいいのに」と考えたのだ。そこで復帰後、エクセルのVBA(プログラミング言語)の勉強をしたいと上司に相談すると、社外での研修の許可が出た。

「試行錯誤の末、今まで2~3日かかってやっていた業務が、わずか10分でできるようになったんです。もともとブラジル人は残業をしたがらないし、なるべく楽をしたい気質なので(笑)、その合理的精神が生きているのかもしれません」

3歳の子どもを育てつつ、通勤に往復3時間かかる彼女にとって効率化はマスト。個人情報を取り扱う業務が多いので、在宅勤務をすることは難しいのだ。このような部署は、まだまだ柔軟な働き方へのハードルが高いと言わざるをえない。