会社創立から7年、グローバル企業として急成長するスマートニュース。若い会社独特の“勢い”と“課題”を探る。
比較的若い世代の社員が多く、活気に満ちたオフィスフロア。自分のデスクはあるが、手前の大きな机もフリーに使える。パソコンを持ち寄りあちこちで打ち合わせが行われている。

仕事中に疲れたらハンモックで昼寝

世界各国のメディアのニュースをスマートフォンで読むためのアプリケーションサービスを行っているスマートニュース。日米を中心に、3500万以上もダウンロードされている人気アプリで、最初にニュースを読み込んでおけば、電波がない場所でもテキストを読めるのが画期的だ。ニュースを提供するテレビ、雑誌、新聞、ウェブなどメディアの総数は2700以上にもなり、スポーツ、ファッション、テクノロジー、政治、経済、国際、芸能などチャネルのカテゴリーが多岐にわたる。「『100%満喫した』を英語で言うなら」など“使える”言い回しや単語が紹介される英語学習、自宅でできる冷え性改善などのヘルスケアなど実用ネタも充実。さらには全国のレストラン、ファストフード店の割引クーポンが付くクーポンチャネルもウケている。

大きなクッションやソファ、ハンモックがあるスペース。ここでぼんやりしたり、昼寝をすることで、新たな発想が生まれることもある。

おしゃれな若者たちが闊歩(かっぽ)する東京都渋谷区神宮前のオフィスを訪ねた。オフィスフロアは、ワンフロアぶち抜きでずらりとデスクが並ぶ。社長室や役員室はなし。社長も役員もヒラの若手も隣り合って働く。打ち合わせスペースで、パソコンを片手に社員たちがミーティングする一方で、フリーデスクや自分の席で黙々と仕事をしている人も。立ったまま仕事ができるスタンディングデスクで作業する人もいる。実に自由な雰囲気である。

このフロアには人気のコーヒー店から出張してきたバリスタが本格的なコーヒーをいれるカフェを併設。コーヒーマシンのものとはクオリティーがケタ違い。カフェの周辺では外国人社員が立ち話をしていて、グローバル企業の一端がうかがえる。フロアの隅に視線を移すとハンモックや、クッションが並ぶ大きなスペースが見える。ちょっと疲れたらここで昼寝もOKだ。

忙しいからといって働きづめだと、かえって仕事の効率が悪くなる。食べるときは食べ、休むときは休む。そのために居心地が良い環境が整備されていれば、仕事の効率はアップ。カフェ以外にも、有機野菜のメニューが楽しめる社員食堂を完備するなど、“食”の面も充実している。

さらに同社では妊娠、出産、介護など、さまざまな事情があっても働き続けられる環境づくりにまい進している。そこで現在、子育て中で時短勤務とリモートワークを活用している2人の女性にインタビューした。