結果を出す体育会系人材の特徴

ちなみに、人気の理由としては

・上下関係がわかっている
・体力がある、動ける、無理がきく
・規律をわかっている

などがよくあげられるが、これだけでは表面的な部分を見ているにすぎない。

また体育会系というと、気合、根性系ですか? となりがちだが、体育会系人材の中でも組織で大きな成果が出せる人は、以下のような強みを持っていることが多い。

強み①決定権者感覚がある
強み②自由と規律の意味がわかっている
強み③自律的成長軌道に乗れる

ではそれぞれについて、詳しくみていこう。

1.決定権者感覚がある

決定権者とは、評価者と考えてもらえばよい。部活で言えば監督だ。常に、誰を試合に出すかの選択をし、どのように戦うかを決定するボスだ。集団の中では、この決定権者が決定した枠組み(=戦術や各ポジションにおける動き方、機能など)の中で選手は“成果”を求められる。つまり、勝利に必要な機能が先に決定していて、その機能に人(=選手)がアサインされる。サッカーでいうならリフティングが10000回できるなど個別技能が超絶に高い人でもこの要求される機能を十分に果たすことができなければ、試合に出ることはできない。

欲しいものがあるとき、必ず制限をかけている存在がいて(それを決定権者=評価者と言う)この権者の求める成果を果たすことにより欲しいものが手に入る、という単純な構造で世界は成り立っているのだ。

会社においても、一般的に新人の評価者は、課長。課長の評価者は部長……となっていて、最終的に幹部はトップの社長から評価されている。社長はというと、株主や顧客、市場といった存在から最もシビアな評価をくだされているのである。

この決定権者=評価者が“求める成果”の達成によって(一般的には)高い給与やボーナス、評価、その他もろもろの対価を獲得することが可能となる。

識学的強み分析の1つ目は、この「決定権者」感覚があることである。

誰かのニーズを満たすことが先にあり、自分の得たいものが後に得られる、という感覚を身に着けているのである。「自分は個性を活かしてこういうプレーをしたい」という単独目標の前にチームがかかげる集団目標のために、設定した個々の役割の遂行に全力を出す、という経験を繰り返ししていることになる。企業組織内においても自身の立ち位置を理解し、まず評価者のニーズを満たそうという感覚が鋭いのである。