自分が選び抜いたアイテムで日々の生活をセンスアップしてほしい

マンハッタンのダウンタウン・ノリータ地区のセンター・マーケット・プレイス通りは、ヨーロッパの路地を思わせる大人の雰囲気が漂う。ローレン・スナイダーさんは2017年にインテリア雑貨店「ザ・プライマリー・エッセンシャルズ」の2号店をここでオープンした。「この店で扱うすべてのアイテムが、日々の暮らしに役立つものであってほしい」と言うローレンさん。彼女の審美眼にかなった生活雑貨や陶芸家の作品は、ローレンさんが持つ上品なたたずまいと重なる。デザインの良さと機能美が特徴のアイテムがそろう同店を、ニューヨーク・タイムズ紙やハイエンドなインテリア誌などが取材に訪れ、話題になった。

洗練された雰囲気のローレンさん。

大学ではインテリアデザインを専攻。卒業後は、ファッションスタイリストや、マンハッタンの老舗高級デパートに入社して小売業のノウハウを学んだ。仕事は面白かったが、自分の店を持ちたいという願いがいつも頭の片隅にあった。

「6年前にブルックリンに1店舗目をオープンしたときは“満を持して”という表現がベストだったと思います。自分の好きなジャンル(インテリア)で、得意なこと(小売業)ができるショップオーナーが、自分にとって最適の選択だという答えにたどり着きました」

そろそろ2号店を出したいと考えていた頃、マンハッタンに今の物件が空いていることを知り、やるしかない!と決意したのだ。場所が変われば暮らす人の趣向も変わる。カジュアルさが好まれるブルックリン店よりも、マンハッタン店は、洗練された大人の雰囲気が必要だと考え、内装は建築家の夫に依頼した。

「夫とは日頃から一緒に楽しいことを考え、アイデアを共有できる関係。内装の相談もしやすかったです」

(写真左)弧を描くディスプレー棚が印象的な店内。(同右)自分も愛用する「rms beauty」のリップグロスや「FRAMA」のソープ。

この店をやってよかったと思うのは、自分が選んだアイテムが支持され、従業員がここで働くことを誇りに思ってくれていること。経営者冥利(みょうり)に尽きるとローレンさんは言う。

「今はオリジナル商品の開発に興味があります。新しいアイデアを得るためには旅に出ることが多いのですが、次はインドに行ってみたいと思っているところです」

▼1日のスケジュール
7:00 起床。ベッドの中でラジオを少し聞く。
8:00 犬の散歩。その後、庭で犬と戯れてから朝食。
9:00 家で少し仕事をするか、ピラティスをするか、走る。その後、店に出かける。
13:00 メーカーとミーティング、ウェブサイトの商品撮影など。
19:00 帰宅。夫とその日の出来事を話しながら一緒に夕飯を作る。
21:00 テレビを見るか、読書をする。
23:00 ベッドの中で少し読書、その後、就寝。
▼my favorite
●美容と健康→ピラティスを日常的に行うことと8時間睡眠。頭をクリアにしたいときはジョギング
ローレン・スナイダー(Lauren Snyder)
インテリア雑貨店経営
1984年、ペンシルベニア州生まれ。芸術大学のプラット・インスティテュートでインテリアデザインを専攻。スタイリスト、高級デパート「バーグドルフ・グッドマン」勤務を経て、2013年に起業。