世界一の大都市ニューヨークで働く女性たちは、日本と同様にストレス満載。でも彼女たちは上手に乗り越える方法を知っています。だからいつも前向きなんです!

仕事の合間にマインドフルネス

ニューヨークを舞台にした映画やドラマなどを見ると、キャリア女性たちは、常に背筋を伸ばしてさっそうと歩き、生き生きと働いているように見えます。もちろんそういう人もいますが、キャリア女性の苦悩は、意外に日本人とさほど変わらない気がします。労働時間の長さや仕事のプレッシャー、人間関係など……。

イラスト=永宮陽子

彼女たちはとにかく忙しい。朝の時間を有効活用するため、朝6時ごろから精力的に働いている人が多いのです。そんな中、心身の健康を保つためのボディーワークやヨガのクラスも朝一番から満席。残業の合間にマインドフルネス(瞑想<めいそう>)のクラスに行って、また職場に戻ることもあります。悩みが多いせいか、セルフヘルプ(メンタルケアやスピリチュアリティー)をテーマにした本が大ヒットしています。

さらにはキャリア女性たちのほとんどがメンター(指導者、アドバイザー)を持つことに抵抗がありません。仕事面、マインド面と分けてメンターを持つ人もいるほど。また、ライフコーチング(※)を受けることも、一般的になりつつあります。そんな悩み多きニューヨーカーですが、やはり日本人と比べるとキャリアチェンジが自由な印象を受けます。

先日、カフェにこんな女性がいました。周囲の目を気にせず大きな声で「つい最近職場をクビになったの。私は全然悪くないのに! どうしたらいい?」と弁護士にスカイプで相談しているのです。その直後、今度は友達に連絡して、解雇された経緯を詳細に話していました。彼女が一貫して主張していたのは「自分は何も悪くない」ということ。さらには新しい世界にチャレンジできる期待感で輝いているようにも見えました。その根幹にあるのは、ゆるぎない「自信」。自分の才能や選択を一番信頼し、応援しているのはほかならぬ自分自身であり、ちゃんと人生に責任を持って生きているのです。

このような自信は、アメリカ特有の「相手の素晴らしさを伝え合う文化」によって育まれていると感じます。「あなたはそのままでいい。あなたは素晴らしい才能を持っているよ」と幼いころから家族や友人によって繰り返される言葉は、その人の自信の根幹となります。ときにそれが勘違いの自信になっている人もいるようですが(苦笑)。

※「自分で選んだ納得のいく人生」を送るためのサポート。コーチとの対話を通して、自分の中にある答えに気づき、目標の実現や問題解決のために必要となる新しい「考え方」「習慣」「行動力」を身に付けていく。