本質を見抜くための「3つの要素」

メタ思考の最終的な目的は本質を見抜き、核心を突く代替案を見つけることである。では「本質的」とは何かと言うと、3つの共通する要素があることがわかる。

それは「普遍性(応用がきくこと)」「不変性(時が経っても変わらないこと)」「単純性(シンプルであること)」だ。こういった本質を押さえると、その後応用できる可能性が高くなる。考えたことが本質的かどうかについては、この3点を検証してみるとはっきりするだろう。もしも考えたことがこの3つの要素を持ちえない場合は、さらに本質的なものが存在することがわかる。

ここではこの3点について、もう少し詳しく説明しよう。

1 普遍性

普遍性とは応用がきくこと。ある分野についてその本質(原則)をつかんでしまえば、他の様々な問題は芋づる式に解決してしまうような解のことである。

2 不変性

本質は時が経っても決して錆びることがない。本質的思考によってつかみ取った答えは、過去、そして未来永劫に通用するものとなっている。明日の結論が今日の結論と違うのであれば、まだ思考が十分ではないという証しである。

3 単純性

ものの本質は、いつ何時も、とてもシンプルなものである。これは物事の本質を理解しようと努めるうえで非常に重要なことで、この世の中は一見複雑に見えても想像以上にシンプルで、本当の問題は最終的には1つしかないのだ。問題が2つも3つもあるということは、もっと考えるべきことが残っている証しである。

違和感があるのは核心を突いていない証拠

3つの要素以外にもう一つ付け加えるとすれば、自分なりの思考の結晶を見て「ちょっと気持ち悪いな」と感じたら、まだ核心を突いていないということだ。その違和感は、「もっと先に到達可能な本質があるから、もう少し頑張れ」と教えてくれているのだ。逆に言うと、そうした違和感を感じ取る能力を持っていることが重要で、それがないと本質的な解を得ることは難しい。

以上が本質的に共通する要素であるが、自分がつかみ取ったものが「完全な本質(ものの真理)」でないからと言って、今の段階で気にする必要はない。もし何らかの世の中の本質をつかむことができればノーベル賞を受賞し、歴史に偉大なる功績を残すことができるかもしれない。だがまずは本質「的」な問題をつかむだけでも、思考を伴わずに行った短絡的行動に比べれば、圧倒的な効果が期待できる。