臆せず、好みを伝えるのがいちばん。ゆだねすぎはNG
バーでのオーダーに自信がないという女性も多い。とくにカクテルは、名前も知らなければ、どんなものなのか想像できないという人も多いだろう。そんなときは、まずは「甘め」「すっきり」「アルコール弱め・強め」など自分の好みを伝え、そこに、「フルーツを使ったもの」「クリームが好き」などとプラスしていけば、バーテンダーから提案がある。それでも緊張して伝えられないのであれば、まずはビールやグラスワインでも問題ない。
もっともいただけないのは、相手にすべてをゆだねること。「私をイメージしたカクテルを」というようなオーダーは、バーテンダーを困惑させてしまうのでNGだ。
カクテル以外をオーダーするなら、お酒の種類、例えば「ウィスキー」「ウォッカ」などを、「ロック」「水割り」「ソーダ割」など、どう飲みたいかを伝えるだけでOK。決して知ったかぶりをして、頭の片隅にあるカクテル名を伝えないようにしたい。思いがけず、強いカクテルだったという場合もあるので、要注意だ。
つくる過程を見られるのも、バーの楽しみのひとつ
カウンターに座る楽しみは、人それぞれだろう。バーテンダーとの会話を楽しむ人。ひとりでお酒をじっくり味わいたい人、そして、オーダーしたお酒ができ上がる過程を見て楽しみたい人。3つ目の「でき上がる過程」を見ることほど、一人でバーを訪れるときの楽しみはないと思う。
チーフバーテンダー湯浅和希さんが華麗な手さばきで、素早くさくらカクテルをつくり上げていく。
「どうぞ」
スッと出されたショートカクテル「さくらのマティーニ」は、ほんのりピンク色で繊細な面持ちだ。カクテルグラスの中にサクラの花が一輪、美しく花びらを広げている。ひと口飲めば、「マティーニ」だけあって、その可憐な姿からは想像できないほど、ほんのりとした甘さの中にウォッカの強烈なアルコール度数を感じる。
「サクラの花は、塩漬けなんですよ」と、湯浅さん。桜湯に使うものを塩抜きしているのだそう。カクテルにもほんの微かに塩みがあるそうだ。
クイ、クイッと4口ほどでカクテルを飲み干し、サクラ花の塩漬けを食べてみる。ウォッカが花びらにしみ込み、かなりパンチがある。「可愛い顔して、結構やるね」といった印象だ。