仕事では、以前にくらべ意欲がなくなり、集中できず、パフォーマンスが落ちてしまう。人間関係を避けるようになるのも、うつ病によくある症状。「電話が鳴ってもすぐに出ない」「ランチや飲みに誘っても来ない」。そんな出来事が続いていないだろうか。

女性の場合は、おしゃれや身だしなみに関心がなくなるという、明確な変化が見られることも。「フルメイクだったのに、最近は眉とリップだけ」「ネイルアートをしなくなった」「髪がはねていても平気」など。

食事の量や睡眠時間が極端に増減するのも、重要なサイン。食欲がなくなり、体重が減っていくケースと、食べ過ぎて体重が増えていくケースの両方がある。睡眠は、なかなか眠れず、夜中に何度も目を覚ます不眠が多いが、10時間以上寝てしまう過眠になる人も。

「うつ病の人は職場とプライベートの両方で活動レベルが落ちていきます。家での食事、睡眠、休日の過ごし方について、さりげなく聞いてみてください」と野田先生。

心の病気を疑われている――と思われないよう、雑談をよそおって聞くのがポイント。

「最近、暑くて寝苦しいよね。よく眠れてる?」「週末は何してた?」「昨日の夜は何を食べたの?」などと聞いてみて、「あまり眠れてなくて」「家でずっと寝てました」「昨夜は食べてません」と返ってきたり、言葉につまったりしたら要注意。

とはいえ、「うつ病なんじゃない?」と安易に口にすると、相手を深く傷つけることがある。とくに男性は、「メンタルに問題が見つかったら、評価に響く」と警戒する人も多い。「眠れてないなら、睡眠外来に行ってみたら?」などの助言にとどめよう。