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唯一の方法は、仕事を「削除」すること

優秀な社員に1つの仕事を加えたら、1つの仕事を手放させる。しかも、社長自身が指示しなければならない。真面目な社員ほど「仕事量が多すぎます」と言わないからだ。優秀な社員が仕事を手放すと、いいことがある。他の社員の成長にも寄与するのだ。上に優秀な社員がいると、下の社員は頼ってしまい、なかなか成長しない。この状況を打破できる。

つまり、大事なことは「効率化」ではなく「削除」だ。

これは、会社全体にも言える。業務を見つめ直すと、必要がないのに時間をかけて実施している作業が少なくない。利用されていない報告書や伝票といったものが、あるはずだ。こういった不要な作業を削除するのがもっとも効果的だ。ただ、不要な作業を見つけ出すことは、難しいかもしれない。なぜなら多くの人は、「すべて必要な作業」という固定観念のもとで仕事をしているからだ。社長が「この作業をやめよう」と指示しても、現場から「それをやめたら大変なことになります」と反論されるだろう。

社員の反論にひるんではいけない

そこでひるんではいけない。社長がやめると決めたら、断固としてやめるべきだ。私の経験から言うと、社長が「削除」の指示をして、混乱したというケースは見たことがない。長時間労働抑制は、社長の仕事だ。他の人にできるものではない。

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