▼通夜と葬儀の服装
「かつては通夜に『喪服』で参列するのは、不幸を予測していたようで失礼とされ、地味な平服が推奨されていました。今でもその考えは残っていますが、最近の通夜は亡くなった当日に行われることが少なくなったため、喪服で参列する人がほとんどです。喪服とまではいかなくても、黒系統の服装で故人の死を悼みましょう」(西出さん)
喪服でなければ濃紺かダークグレーのスーツ。黒で統一したネクタイ、靴、靴下。ワイシャツはレギュラーカラーの白の無地。葬儀・告別式は喪服にする。ハンカチは白。カバンは黒で光沢のない素材がベスト。クロコダイルなど、は虫類系の革製品は避ける。
▼香典袋の書き方とポイント
香典を入れる「不祝儀袋」は、外袋(上包み)の上段に表書き、下段に名前、住所は内袋に書く。表書きの書き方は、宗教や宗派によって異なる。
「仏式では浄土真宗などが『往生即成仏』の考え方から『御霊前』を使いません。しかし、故人の宗旨を事前に知っている場合も少ないので、一般的に『御霊前』が広く使われていますが、仏式であれば『御香料』でもいいでしょう。キリスト教式では『御花料』、神式は『御玉串料』『御榊料』にするのが無難です」(岩下さん)
連名で渡す場合は、目上から順になるように書く。3人の場合、2番目の人を中心に書き、目上の人を右に、目下の人を左に書くとバランスがとれる。会社など団体の関係者としてお金を包むときは、団体名を名前の右肩に、少し小さく書き添えるといい。
書く文字は、「悲しみの涙で墨が薄くなったことを表すため、文字は薄墨で書くのがマナー」(西出さん)。中包みは、表側には何も書かない。「裏側には「金額」「住所と名前」、表書きを連名にしたときは代表者のものを書く。郵便番号も忘れないこと。この際も、薄墨で書く。