「時計回り」はなぜ「右回り」なのか?
「時計回り」といえば「右回り」のことを指す。実際の時計の針が右回りに回転することになぞらえ、何かを右に回したり、右回りの順番で行ったりするときに、それを「時計回り」と表現するわけだが、これは左回りの時計が存在しないからこその表現だ。
では、時計はそもそもなぜ右回りと決まっているのか。それは、世界最古ともいわれる時計が右回りで時を刻んでいたことに由来する。
世界最古とされる時計は、およそ6000年前のエジプトで誕生した日時計だ。日時計とは、地面に打った杭(くい)を太陽が照らすことでできる影の動きで時を知るというもの。原始的な日時計は木や石でできた杭の影を見て、おおよその時刻を認識していたが、やがて目盛の概念などが生まれてより実用的になり、世界各地へ伝播(でんぱ)していったと考えられている。
その日時計が生まれた地球の北半球では、時を示す影の動きは右回りに動く。これが、時計の針が右回りになったそもそもの所以(ゆえん)なのだ。だが、もし日時計が南半球で生まれていたら影の動きは左回りとなり、現代の時計はすべて左回りに動いていたかもしれない。
視力「1.0」などの数値は何を意味するのか?
決められた線の上に立ち、遮眼子(しゃがんし)で片目を隠し、「ランドルト環」と呼ばれる「C」の形をした視標のどこに切れ目があるかを答えていく。これは、学生の頃によくやった視力検査のことだが、測定結果で教えられる「1.0」や「0.5」といった数値は、そもそも何を意味しているのだろう。
例えば、直径7.5ミリの円に1.5ミリの切れ目があるランドルト環を、5メートル離れた位置から見る。どの方向に切れ目があるかが見えれば、視力は「1.0」となる。これが、視力検査の基準である。ランドルト環の切れ目は、検査される側から見ると、角度1分、つまり1度の60分の1に相当する。
視力「0.5」とは、この切れ目の広さが2倍にならなければ認識できない状態のこと。切れ目が「1.0」の人の倍である3ミリになって、やっと認識できるというわけだ。