スマホ決済、電子タグと無人レジ、電子棚札

注力しているテクノロジーは、(1)電子タグや電子卸札、カメラ・センサーなどの「センサー」関連領域、(2)レジロボ、接客ロボなどのロボティクス関連領域、(3)需要予測、販促効果、日販予測などのアナリティック関連領域、(4)ドローンなどのロジスティクス関連領域など8つのテクノロジー・サービス領域に及ぶ。

ローソンのオープン・イノベーションセンター(OIC)のマネージャーの谷田詔一氏。

「出店する際にAIで日販予測をするようなシステムの開発やドローンを使ったサービスなどの実験を進めています。現在ローソンの決裁は半数以上が現金ですが、将来半分は電子マネーになってもいいのではないかと思っています。生体認証ではリキッドという会社と一緒に研究していますが、夜間無人になったときに活用できるのではないかと思っています」

天井には2台のカメラが設置し、顧客の消費行動をチェックし、ビックデータとして活用するような実験も行われ、ローソン約8店舗でもすでに実施されている。

「このシステムを使って消費者の消費動向が予測します。これまでお弁当エリアはレジカウンターのすぐ横にあるのですが、このカメラを設置したことで、昼間の繁忙期、レジ待ち行列がお弁当エリアをふさぐことになり、お弁当を買おうと思っていた人の気持ちを削ぐのではないかと予測された。実際に弁当エリアを移動したら売り上げが増加したという結果があります」

この研究施設がローソンにとっては増収増益の大きな切り札になろうとしているわけだ。中でも今力を入れているのがバーコード読み取りによるスマホ決済、電子タグと無人レジ、電子棚札だ。それらはどのようなものなのか。

まずバーコード読み取りによるスマホ決済。コンビニでは昼間のランチタイムなどの混雑時には行列ができる。そうした状況で缶コーヒーやお菓子などちょっとした商品を買おうと思っていたお客がレジ待ち行列を見て買うのを止めてしまうことが起きる。そうした問題を解決する1つの方法がスマホ決済だ。

「バーコードをスマホのローソンアプリで読み取り、携帯の中のLINE PAY(ラインペイ)を使ってその場で決済できるシステムの実験が年内にもスタートします。短期的には、これで朝やお昼のレジのピークのちょい買いニーズの掘り起こしと、レジ待ち行列の緩和につながると思っています。長期的には人件費を含めたコスト削減につながると考えています」

ここで心配になるのが万引きとの見分けがつくのかということだ。しかし店内の防犯カメラによる監視と出店時に端末でスマホをかざして「チェックアウト」をすることできちんと決済していることが確認できるシステムも同時に開発しているという。

そして次世代店舗でローソンが力を入れているのがICタグによる無人レジの決済だ。しかしここにもいろいろな課題があるという。

「私たちは2025年までに経済産業省とともにすべての商品に電子タグをつける『1000億枚宣言』といっているのですが、これを使って無人でレジの決済ができるシステムの開発を進めています」