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毎回、感謝の気持ちを言葉で伝える

同じ店を利用しても、店の側から手厚いもてなしを受けられる人には、共通する心遣いや行動パターンがある。それは、次のようなものだ。

気に入った店には、頻繁に通う

初めて利用し、そのお店が気に入ったら、数回続けて利用し、自分の顔を覚えてもらう。

利用した際には、お店の人たちとほどよく会話をする

入店時や主人があいさつに来たときには、ほどよく会話をし、その場の雰囲気を和らげる。一見、敷居の高そうな店を会食場所に選んだ場合には、これで同伴者の気持ちはなごむ。カウンター席の場合、常連だからといって、板前さんを独占しない。

名刺の肩書きを振りかざさない

お店で気に入らないことがあると、「俺を誰だと思っているんだ」などと口にする人を時折見かける。自分の肩書きや会社名に依存している人ほどこれを振りかざせば、誰もが低姿勢になると誤解している。男性は、自分のプライドが傷つけられると怒り出す。だが、権威を振りかざすのは逆効果だ。

予約は可能な限りメールにし、スタッフの名前と感謝の言葉を必ず添える

電話での予約では「言った」「言わない」が起きることもあるので、詳細が伝えられて記録が残るメールを使う。秘書などに代理で予約してもらう場合には、人数・食材・酒量・予算、接待なのか通常の会食なのか、土産の有無などを伝えるように依頼しよう。また、「○○さん、いつもありがとう」と個人名をつけて御礼を添えるのも忘れないようにしたい。

同席者の情報を提供しておく

同席者がVIPの場合、問題のない範囲でその方の情報を店側に提供しておく。そのほうが店側もサービスがしやすいからだ。

ドタキャンは絶対しない

体調不良などでキャンセルする場合、数日前のキャンセルなら、別の予約日を伝えるようにする。また当日、同席者が利用できなくなったら、別の人を誘って利用しよう。当日のキャンセルは、仕込みの関係で店側に損害が出るし、自分の信用を失うからだ。

クチコミサイトに良い点を記載する

お店のクチコミを記載できる場合には、きちんと認める評価を行う。良いクチコミは、良い顧客を増やす効果もあるからだ。もし、こうして欲しいという希望があれば、それもあわせて記載しよう。たとえば、お酒の品揃えや価格帯などは、リクエストしておくと対応してもらえることが多い。

リクエストに応えてくれたら、心づけを渡す

予約時にあれこれとリクエストし、きちんと対応してもらったら、心づけを渡そう。それだけでフロアスタッフのモチベーションは上がり、次回接客してもらう際にもよくしてもらえる。

毎回、感謝の気持ちを言葉で伝える

「お金さえ払えば、サービスを受けて当然だ」と考える人は、本当のもてなしは受けられないだろう。スタッフが心遣いをしたくなる人になる唯一の方法、それは予約のときも、利用した際も、毎回きちんと礼を口にして伝えることだ。

「どうもありがとう。とても楽しかった」
「いつもながら心遣いのあるサービスをしてもらって、うれしかった。どうもありがとう」
「お客様がとても喜んでいらしたよ。本当にありがとう」

こうした感謝の言葉を毎回口にしている人ほど、厚遇を受けている。

客人力を磨けば、大きな武器になる

サービス業の人たちなどから厚遇を受けられる「力」のことを「客人力(まろうどりょく)」と呼んでいる。「客人力」を発揮する人は、ホテルやレストランの現場で働く人たちはもとより、その場にいるすべての人たちを快適にする。これこそが、厚遇を受ける人の共通点だ。

「客人力」があれば、自分が気持ちいい食事ができるだけでなく、接待や会食でも相手をより満足させることができる。取引先と食事をする機会が多いビジネスパーソンには、大きな武器になるはずだ。

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